アイヌと宮古島

本には書かなかった不思議なこと…。
 
 
たぶんこれまでの人生で
やまのように不思議なことだとか
不思議な出逢いはあったのですが…
 
まぁ、一冊の本に書ける量は限られていましてね…
 
 
すべてをそこに書くことはできませんでしたので
少しずつ
こんなこともあんなこともあったのよ…なんてことを
つらつらと書かせていただこうかなぁと思います。
 
 
これは、3年以上前の冬の出来事です。
 
 
ある日
東京に住む信頼するお友達が唐突にこう言いました。
 
『真澄さん、北海道…行かない?』
『えっ?北海道⁉︎ 行きたいなぁ!
行きたいけど…さぁ…
でも、わたし遊びで行けるようなご身分じゃないし…ね…』
そう言って、行ったことのない北海道に大きな憧れを持ちながらも
わたしは、イヤーコーニングをさせていただくことがなければ
どこでも好きな時に好きなところへ行けるなんていう…
そんなお金の余裕はないのよね〜なんて
どこへでもサッと行っている彼女をときおり羨ましくさえ思っていたのです。
 
 
ま、そこで…どうなるものでもなく
無理なものは無理…と
そんなに後ろ髪を引かれる様子もなく
仕方ないよね…と、北海道行きは断念したわけですが…
 
 
面白いことは
その数日後に起こりました。
 
 
なんと
まったく見ず知らずの方から
Facebookのメッセンジャーで
こんな問い合わせがきたのです。
 
『北海道でイヤーコーニングをしてくれる人を探しているのですが
誰も見つからなくて… 。
近藤さんは、北海道には来てはもらえないでしょうか?』と。
 
 
驚いたのはわたしの方です!
 
 
ただ…
あーこんな流れがあるのですね?と
ひとり納得いたしまして…
 
『お伺いします』
とお答えしたわけです。
 
 
かくして…
その友達に誘われた北海道行きとあわせて
わたしは札幌でのイヤーコーニングをさせていただく…という
なんともありがたいお膳立てをいただきました。
 
 
そう…そして
これで、夫への大義名分ができまして…(笑)
晴れて…
『北海道からオファーをいただいたから
北海道セッションに行くことになったわ…』
なんて調子のいいことを申しまして…(ウソではないでしょ 笑)
飛行機のチケットの手配に勤しんだわけでございます。
 
 
ところが
まぁ、こんなことが起こるのだなぁと
不思議でなりませんが…
その札幌セッションが
北海道に行くという3日前にキャンセルになりまして…
 
 
え?え?
と、戸惑いは隠せませんでしたが
それでももう飛行機のチケットは取っているわけですし…
オットへの大義名分もしっかりとできております(笑)
行かない…という選択はありませんので
なに食わぬ顔で
北海道に旅立ちました。
 
 
どんな旅行なのか。。。なんにも知らずに…!
 
 
わたしが描いている北海道とは
広い大地と美しいラベンダー畑…
 
ま、12月にラベンダーはないのも知りつつ…笑
それでも雄大な大地と真っ白な雪景色を夢見て…
 
そんなつもりで新千歳空港に降り立ったのですが…
 
わたしは、札幌セッションの予定でおりましたので
その旅行の同行者の方達とは別便。
 
12月の本当に寒い北の大地で
いくつもの乗り換えの末に…
最後にバスを降りたところからは
真っ暗な夜道をひたすら歩く…という
まったく交通手段さえないような場所に向かいました。
 
 
ほとんど半泣きで…です。
 
 
そこからの時間は
思い描いていた北海道とはまったく違う…
なんとも居心地の悪い
来なければよかった…とさえ思うような時間が過ぎていきます。
 
初対面の数人の方たちと共にする行動に
慣れもなく…
心を開くこともできず…
 
 
ある晩なんかは…
ひたすら囲炉裏の燃える火を見ながら
とにかくこの居心地の悪さから解放されたいと
ただひたすらホ・オポノポノを心の中でつぶやいていました。
 
周りで楽しそうにお酒を呑んでいるその人たちを横目に
わたしはといえば
時おりお水を口にすることが精一杯。
 
 
ただただ
燃える炎と対峙しながら
『ごめんなさい』
『あいしています』
と、意味もわからず
それだけをその炎に溶かしていました。
 
 
最終日…
帰る日の朝に
その同行者の中の一番の長老の男性が
わたしを呼びました。
 
 
あまりにも
面白くない数日を過ごしたわたしは
旅の同行者とも
たいして口もききたくないようなそんな心境が続いていましたので
こちらから話しかけることはおろか
ニコッともしない時間を過ごしていたと思います。
 
 
その…
インドでずいぶん長い期間修行をして来たらしい長老が
しっかりとわたしの顔を見て思わぬ言葉を口にしました。
 
『今回の旅は
あなたが一番働きましたね!』
 
不意の言葉に…
『はっ?』
と首をかしげるしかありません。
 
 
なに言ってるんだかさっぱりわかんない…
と、内心…少々ふてくされ気味のわたし…笑。
 
そのあとの言葉に、さらに驚きました。
 
『【伊勢】という【ヤマト】を象徴する場所に居た…あなたという存在が
【アイヌ】に来て詫びを入れる…
それが今回の一番大きな働きですよ…』
 
 
なんですってーー???
 
 
と、頭の中は
少々グルグルしましたが
知らぬ間に
涙が頬を伝っていました。
 
 
次の瞬間…オメデタイわたしはこう思ったのです。
 
そんな風にこの肉体をお使いいただけるのなら
どうぞ、どれだけでもお使いください!
 
と、誰にいうわけでもない思いを
心の中で叫んでいました。
 
 
たまたま…
伊勢という場所に、それも神宮という場所に置いていただいてはおりました。
そんな人は、何百人といらっしゃるわけで…
 
ただ、わたしが
たまたま今、こうして自由にあちこちに行かせていただける境遇にあり
たまたま
なんともよくわからぬ不思議な人たちとのご縁があるというだけなのですが…
 
それでも
もしも
それが必要なことで
それがなにかの役に立つなら…と
 
いつもの『アレ』がついつい出たのはいうまでもありません(笑)
 
 
でもね…
それをその長老に言われた時に
やけに合点がいってのです。
だって
あのタイミングで北海道セッションの依頼が入り
あのタイミングでそれがキャンセルになる。
 
広い北海道で
あのまま、わたし一人札幌でセッションしていたら
同行できなかった場所はいくつもあります。
 
初めての北海道でひとりレンタカーを運転して移動することすら
わたしには過酷なことだったかもしれないのです。
 
そして
あのアイヌの里の
電気もガスも水道も通っていないという
ただ寒くて暗くてカビ臭いあの場所で
わたしはひたすら
何かに謝っていたのですから。
 
 
『ごめんなさい』と…
 
 
そして
無理やり絞り出すような『あいしています』を
 
ひたすらそれを繰り返していたのですから…!
 
 
 
そして、そのあと…
またしても…です。
 
 
それから2ヶ月も経たないうちに
今度は
地元、三重の少しお姉様な女性が
また唐突にこう言いました。
 
『なんだかね…真澄さんと宮古島に行くような気がするわ〜』
 
返事は同じです。
『えぇぇぇーーー宮古島⁉︎ 行ってみたいーー!
でも、わたし…遊びで行けるようなご身分じゃないから…』
 
 
まさか
同じことが起こるとは予期することもなく。
 
 
ところが、数日後…
イヤーコーニングの生徒さんから連絡がありました。
 
『いまは神戸在住なんだけど
宮古島で事業しようと思ってる方が
宮古島でイヤーコーニングできたらっていうことで
習いたいらしいんですが
真澄さん、ご紹介してもいいですか?』
 
 
あはは…
もう笑うしかありませんでした。
 
 
もちろん
参ります…と。
 
 
このわたしの身体でよろしければ…。
と心の中で申し上げたのはいうまでもありませんね。

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