(30)壊そうとしても壊れない…その家族…

あの時、もしもあのまま夜のお店をしていたら
身体を壊すか、心を壊すかしていたかもしれないと…
今となってはそう思います。
いや、それ以前に家庭を壊してしまっていたことでしょう。
 
いえ、わたし自身は
事もあろうにこの家庭を何度となく壊そうと試みたのです(笑)
 
ところが、なんのおかげか…
いまこうして家庭も壊れず…(笑)
 
身体も心も…まあ、たまには疲れたりヘコタレたりすることがあったとしても
『ますみさん、体力ありますよねーー』
なんて言われるぐらいはたらかせていただいていることは
あの時のウソのような本当の話のおかげだと思っています。
 
そして、それを境にもうひとつ大きな変化がありました。
 
結婚して以来、一泊で出たことさえなかった妻が
急になにか得体の知れないことをやり始め
にわかに外泊が増えたことで…
ますます不機嫌が続いていた夫が
いつのまにか…
ものは言わずとも…なんだかそれまでの否定がなくなり
なんとはなしに背中を押してくれている気配になったのです。
 
これは
わたしがイヤーコーニングを続けさせていただくうえで
たぶん何よりも大きなことだったと思います。
 
家族…という、一番身近に居て一番厳しい目を持って
わたしの方を見ているその筆頭が
認めてくれる…というのは
それはそれは大きな自信になり
より一層前へ向かえる…というものです。
 
いま、わたしが
口を酸っぱくして(笑)
イヤーコーニングを習いに来てくださる方達に
クドいくらいにお伝えするのはその事。
 
外でどれだけ認められても
外でどれだけ楽しいことがあったとしても
以前のわたしのように…
家に帰ったら居心地が悪くて
なんだか自分を出すことができなくて
口をつぐみ殻にこもる
そして、また楽しい外に逃げる…
なんていう循環は…
この限られた人生の時間の中で
本当にもったいないものだと思うのです。
 
ま、それも通ってみないことにはわからないことではありますけどね…。
 
一番の理解者であり
一番の批評家でもある
『家族』という存在が
理解し、認めてくれ
そして、喜んでくれること…
 
それは
計り知れない大きなチカラを与えてくれるはずですし
大きな根っこができるのだと思います。
 
だからこそ、生徒さんたちにお話する時はいつも…
イヤーコーニングを
まずは家族に喜んでもらうこと…
それをモットーにしております!
 
そんな大きなしっかりした根っこがあるからこそ
たまに吹く風も心地よく感じたり
雨が降ってもビクともしなくなるのだと思います。
あら、少しお説教くさくなってしまいましたわね…(笑)
 
 
そうそう、家族…と言えば
つい最近…
20数年前に生死の境を彷徨った次男から電話がありました。
 
セッション中で気付かず
『なんだった?』
と折り返したら
『夜、改めて電話します』との返事。
 
子供の『改めて電話する…』なんていうのは
だいたいドキドキする内容だったりするわけで(笑)
あら、今度はなにをしでかすのかしら…
なんて、少々ヒヤヒヤしながら夜を待ちまして…。
 
そりゃまあ…それでもなにか彼にとっては大切な要件なんだろう
と、なにを言っても驚かないつもりで電話を取りましたら…
 
第一声が
『あの〜お願いがあって………』
 
ほらほらきたきた!(笑)
 
たいがいのことはお母さん…腹くくってるから言ってごらんなさい…
と、内心思って黙っておりましたら…
 
彼の口から出た言葉は
意外過ぎるものでして…
 
なんと
『イヤーコーニングを教えて欲しいんですが…』
ときたもんだ(笑)
 
面食らうわたしに…
『ちゃんとお金を払うので教えて欲しいです…』
とまで申します。
 
意を固めているのは息子の方で
戸惑ったのは、恥ずかしながら母である私の方…(笑)
照れも手伝い…
『そうは言っても…キミ…
イヤーコーニングしてる時じゃない
ふだんのしょうもないおかあさんを知ってるでしょ?(笑)
それでもいいの?』
 
って聞いたら…
 
『いや、それはもちろん知っています(苦笑)
それは、十分わかってるからいいんんやけど…(笑)
もちろん、イヤーコーニングのやり方もだけど
お母さんが生きてる間に
学んでおきたいことがある気がするんや。
すごく急いでるわけじゃないけど
本気でそう思っているのでお願いします!』
 
実は、3年前に鹿児島でイヤーコーニングをさせていただく機会がありまして…
その頃、彼がちょうど大学を卒業する時期だったこともあり
一度だけ彼と旅を共にしたことがあります。
 
その時セッション用に貸していただいた会場が
ガラス張りのステキなお部屋だったのですが
ガラス張りだからこそ
彼はわたしの姿を見ていたのです。
 
ふだん、誰にもお見せすることのないその姿を…。
彼のその電話を切った後
ひとり込み上げるものを感じたのはいうまでもありません。
 
そう…
『家族』という名の
素晴らしいアンカーがあるからこそ
こうしてわたしは、好きなように泳がせてもらえているのですね。

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