(6)スムーズすぎる離婚

まあたぶん…ご想像通り…と言いますかなんと言いますか
しばらくの新婚生活を楽しんだ若いふたりでありましたが
やっぱり…というか、そりゃそうでしょ!というか…
1年半後に長男が生まれ
近藤という家に何十年ぶりかに誕生した男の子に
彼もわたしも安堵したのですが…
それからしばらくして
なにやら雲行きがおかしくなってきました。
離婚の『り』の字も考えていないわたしは
うまくいかないことや頭を打つことにも
必死で対応していたつもりでしたが
度重なるそれに、少しずつ彼から心が離れていくのを感じていました。
そんな時に
二人目の子の妊娠がわかったのです。
いま思うと、よくもまあそんなタイミングで
と思いますが
二人目の子の妊娠がわかったその時に
わたしは、その人との離婚を決意しました。
長男はこれでどんなことがあっても一人になることはなくなった…
なんていう…わけのわからない理由でした。
家付き娘とは…というか
基本的にわたしは、情けないかな…こういう時にもあまちゃんなのです。
その頃、お金に困っていなかったわたしは
一円の慰謝料も養育費も請求することもなく
ただただ、長男と生まれてくるであろう子供を
まっすぐに育てることしか考えていなかったのです。
それから数年後に
子供達の成長の為にはお金が必要なんだ…
と、切実に感じるまで
わたしのこのボンヤリノンビリは際限なく続いてしまうのでした。
ところが
決めるまでのそれと
決めてからのそれは
まったく違い
結婚式の時とは正反対に
まるでなんの障害もなく
不思議なくらいスムーズに、その方とは離婚をすることになりました(笑)
桜の木が、身をもって教えてくれたことを
ここでようやく気付いた…
なんていう思慮の足らない大バカ者だったわけです。
そして…もうひとつ…
1回目の結婚式がキャンセルになり
悲劇のヒロインになって塞いでいる時に
父と母が言った言葉…
『男なんていくらでもいる…』
暗に両親は、彼じゃなくて違う人にしなさい
って言いたかったのかもしれません。
でも、わたしがその言葉に反発してしまったのです。
『赤い糸』は一本しかないと真剣に思ってしまっていたのですから…(笑)
そして、驚くほどスムーズに話は進み
離婚届というペラペラの薄っぺらい紙を提出したその時
親の言うことは素直に聞くものだ…
…と
母子手帳の父親欄が空白のまま…お腹がどんどん大きくなる妊婦は
心の底からそう思ったものでございます…
 
 

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